衝撃弐

「っ…は…ぁ……なんで、アン、タ…が」
暫しの沈黙の末、やっと言えたのはこんな間抜けな台詞だった。
他にも沢山の疑問が有ったはずなのに、何故か佐助は何も言えずにその場に倒れこみ、そして地面を強く…とにかく強く拳で叩く。
「嗚呼…どうして、…っ…こんな」

彼の足下に有る、一つの結末。
哀しすぎてもう涙も出ない。
…枯れてしまったんだ、何もかも。

そのまま今にも消えそうな意識を必死に保ちながら、佐助は顔を上げた。
そこにはいつもの様にニッコリと微笑みを浮かべている彼の姿が有って、思わず握っていたあの人の服の切れ端を更に強く握り締めた。
そのいつもの笑顔が酷く恐ろしい物の様に見えて…それなのに、何故か目が離せなくて…全身の震えが止まらなくて。

思わず自分の体を抱きしめた。
そして、もう一度…同じ問いを重ねる。

「……どう…して?」

すると、彼はこの戦場には似つかわしくない微笑を浮かべてようやく口を開いた。
「そんな事…決まっているだろう。佐助は、主である俺の物だからな」
微笑の隣、キラリと輝く二槍をあんなにも恐ろしいと思う事が今まで有っただろうか。
今は赤黒く、妖しい光を放つソレが堪らなく憎い。

「一生、真田という檻の中で俺を求めろ」



さぁっと、一筋の風が流れた。
長く美しい茶の髪が揺れて、紅い服が弧を描く。
緑の血塗られた衣装が散り散りに揺れ、蒼い切れ端が地に堕ちる。

…そう、地に堕とされた…麗しいあの人。

「っ…ぁ…はは……返して、くれ…よ………、……返せ…!!」



蒼い貴方は、遠く離れた檻の中。
 

この前のダーク小ネタ第2弾。
どこまで続くかは未定ですが、とりあえず佐助以外は皆サディスティック路線で行く事にしました←
人物の登場比率はS:M=4:1位の割合(どんなだ)でいこうかと思案中です。。。
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